茶の話

九十九茶杓添文

一 (淡竹中節丸形虫喰) 偶然拾った竹の節近くに穴が空いていたので、強度に欠けると思い捨てようとしたら、茶の師匠が「それは虫喰いと言って、茶の湯では尊ばれる物です」と仰った。それを機に私は茶杓作りを始めた。虫喰いの侘びた道具なので、名残の茶…

茶会「十年の月日」

6月16日に開いた茶会 フューチャースケープという10周年全体のテーマに因み白銀の茶室を造った 前日は大雨強風だったので当日5時起きで茶室を組み立て11時から一席 今回は屋外で雨風対策と特別なインスタレーションを茶室に組み込むため大掛かりになった ブ…

象の鼻テラス10周年記念展

象の鼻テラスが10周年を記念して 「10年後にあったらいいな」と思う作品を公募して公開します お題は フューチャースケープ 展示だけでなくパフォーマンスにワークショップや大道芸もあり 今日からお祭り騒ぎの10日間になるでしょう 私は最終日の6月16日に茶…

茶杓に求められること

茶杓には少なくとも 三つのことが求められる ー 滑らかなこと ニ 抹茶を掬えること 三 茶入に乗ること これらは点前で必要な機能 先ず茶杓を帛紗で清める 茶碗に乗せられた茶杓を取って 帛紗で櫂先を拭く時に引っ掛からないように もちろん茶杓を手に取った…

無題

三連休は寒さが和らいだので 外で作業 竹を切っては削り ノミとカナヅチも使ってトンカン! 少々うるさいけど まあ 昼間だから苦情もでない カミさんは 与作のようだね… と言う 以前 夜中にミシンで スーツを仕立てていた時は あなたって 鶴の恩返しみたい……

茶会「交響曲第六番」

スマートイルミネーションみどりの一環として開いた茶会 横浜市緑区は里山や田園が多く残っている 開催地中山駅からほど近くにも田園風景が広がっている そこで田園を主題に茶会を企画 田園と言えばベートーベンの「交響曲第六番」ということで 掛軸代わりに…

七夕茶会(ご案内)

平成30年7月6日(金) 18:00~・19:00~・20:00~ 各席定員6名 予約制 ご予約は下記facebookのイベントページからお願い致します https://www.facebook.com/events/173023146872331/ facebookをご利用になられていらっしゃらない方は junxaka@gmail.comへ…

油抜き

12月初旬に切り天日干ししていた竹 立春なので油抜きをしました 節上が油抜きをした状態 外にカセットコンロを出して炙り 表面に油が浮いて来たら 素早く雑巾で拭き取ります まだうっすら緑色をしているので 白くなるまで暫く陰干ししてから加工します

クリスマス茶会のご案内

キリスト教が日本へ伝来した頃、茶道と深い繋がりがありました。宣教師たちは布教活動として、当時、武士を始め広く一般にも愛好されていた茶道に着目し、教会内に茶室を設けて茶の接待をするなどして信徒を増やしていきました。一方、今に伝わる茶道の所作…

船上茶会「水面の灯」@スマートイルミネーション横浜2017

2017年11月4日(土)横浜象の鼻ピアからクルーザーを出して船上での茶会を開催した 折しも寒冷前線の通過に伴い強風と荒波の時化の中での点前となった 船室内は「どこ吹く風」といった調子で師匠が道具の話をしていたが デッキに設えた光る御園棚で私は風と…

経堂茶会(裏話)

10月6日(金)に開催した経堂茶会の記録です http://kyodo.atelier-inoue.jp/2017/10/06234037/ 上記リンク先のご報告にない裏話を… 床に飾る花はどうしようか?と世田谷区の茶花で検索したら 「山野草園やまあい」があるとのこと http://sanyasouen.com/ 同…

経堂茶会(本席掛物)

10月6日の晩 建築家井上明日香さんのアトリエで茶会を開催させて頂いた 茶の湯で10月は名残 前年11月に口切した茶が残り少なくなり 欠けて繕った茶碗などを用いて侘びた風情を味わうもの 井上さんのアトリエは小田急線「千歳船橋」駅と「経堂」駅の中間辺り …

茶会案内

トップページに掲載しましたが、本年もスマートイルミネーション横浜のアートプログラムとして茶会を開催します。今回はクルーザーで横浜湾岸エリアの絶景スポットへご案内し、船上より夜景をご覧頂きながら一服差し上げたいと存じます。立礼式(イス席)の…

茶会のお知らせ

茶会「六面相」 4月16日(日) 11:00~13:00~14:00~15:00~16:00~17:00~ 各席定員6名 予約制 (空席がある場合、当日現地受付可) 茶会費 1500円 会場:象の鼻テラス 横浜市中区海岸通1丁目 みなとみらい線「日本大通り」駅 出口1より徒歩3分 ご…

削り

何かを作ろうとする時 大まかな形を決めてから細部に移る工程と 始めから細部をチマチマと作り込んで行く手法がある 前者はダイナミックな躍動感が生まれ 後者は緻密で知性的な印象を受ける 茶杓に限って言えば後者の手法で繊細に削る方が失敗がない しかし…

茶杓の下削り

2016年11月25日(金)は休暇を取って東博で 「禅 心をかたちに」特別展を拝見した 茶と禅は関わりがあるので是非とも観なくては… ということで赴いたのだが 宗教的な背景が強く 茶に関する物は僅かであった 久し振りに上野へ行ったので母校の学食へ……

茶会「裏窓の灯」@スマートイルミネーション横浜2016

(茶会記) 省エネ技術とアートによって新たな横浜の夜景創出を目的としたスマートイルミネーション横浜での一夜限りの茶会。象の鼻テラスの裏窓に相当するショーウィンドー内に席を設けました。ここへお客様が入るのは初めてのことでしたので、階段を作りま…

独座観念

次の茶会へ向けて準備は滞りなく進み 稽古にも余念はない 一夜限り11名しかお招き出来ない 一席15分 入れ替え含む 稽古では一席の点前が12分 このため次の茶席の準備を3分でする 師匠が水屋で準備をしてくれるので 何とか間に合う計算だが心のゆとりがない …

茶杓作り

竹を割り 下削りをして 水に浸すこと5日 ローソクの火でゆっくり炙って枉げる 竹の組織に滲み込んだ水が熱せられ 竹の繊維を伸ばすのだろうか 裏側が裂ける直前まで枉げ 冷水で冷やすと枉げが固定する 今まではその後直ぐに削っていたが 紐などで固定すると…

茶会のご案内

2016年の中秋の名月は9月15日。満月は17日。 この度、横浜臨海部にある象の鼻テラスにて、満月の晩に月をテーマとする一夜限りの設えで茶会を開きます。雲で月が見えなくても「無月」と呼び仄かに明るい空を楽しみ、雨が降ったら「雨月」と言って心の中に月…

秘密の茶杓

何の変哲もない茶杓に見えるが 実は櫂先に私の作為が込められている 次の茶会で使用すべく削ったものの 師匠は「作為的だ」と難色を示された 物作りとは そもそも作為的であり 自然の物を生かしたとしても作者の作為は表れる だから作為に満ちていても良いの…

茶会「影点て」

影点てとは裏で茶を点てて出すこと 大寄せの茶会などでお客様を待たせないために 茶道ではそういう形式が通例となっています もちろん裏方はお客様には見せません それを敢えて見せるという実験的な茶会でした 8畳大の蚊帳を作り お客様は蚊帳の中へ… 御園…

道具について

先日 千家十職の竹細工師の襲名披露展で茶杓を拝見した きれいな仕事なのだが余りにも普通で それが何を意味しているのか考えていた 茶杓は抹茶を茶器から茶碗へ掬い入れるための道具である 抹茶を掬えればそれで良いかと言うと そうではない 棗に乗せた時に…

茶会「影点て」

約1か月後の7月1日(金)19時から30分おきに4席 茶会を開催します 場所は横浜にある象の鼻テラス http://www.zounohana.com/map/ 立礼式(イス席)で各席定員6名 茶会費はお一人様1500円 予約制です(空席がある場合は現地受付可) ご予約は私…

茶会準備

いよいよ4日後に迫った茶会「雪の花」 予約はほぼ満席 一旦組み上げた茶室を解体し 前夜の金曜日に現地で再構築する 真っ白な幕で覆われた不思議な六角形の空間 今回 光の演出はせず 自然光と会場の基礎照明を生かす 予報では曇時々雨 雪の点前だが 雪が降…

茶会の開催案内

茶会「雪の花」 雪の結晶。別名「六花」。同じ形はふたつとない。 このたび茶箱「雪の点前」による茶会を開きます。雪の結晶が六角形であることに因み、六角堂の茶室を設えます。六角堂と言えば、北茨城市にある岡倉天心創設の「観瀾亭」(東日本大震災で流…

茶会「浜辺の夢」

11月3日(火・祝)に開いた茶会「浜辺の夢」 アートと省エネ技術により都市の新たな夜景創造を趣旨とした スマートイルミネーション横浜の一環として実施 電気自動車1台で完結する茶会の試みでもあり 省エネに加え 廃棄物ゼロをテーマとするため日中から行…

電気自動車を使ったゼロエミッション茶会

11月3日(火・祝)、スマートイルミネーション横浜2015において、電気自動車(日産e-NV200)を象の鼻パークの水際に停め、車内に茶室を設え、茶会を開催します。茶会に必要な全ての電力を電気自動車から賄うと共に、水や道具を車載して持ち込み、持ち帰るこ…

銀杏の茶杓その2

私が語らずとも好かろう

茶箱

秋の茶会へ向けて茶箱を制作 開催場所と時期は未定だが 月の点前に用いる茶箱セットを 作品として仕上げておきたい 7月の3連休で完成させる予定で 頑張って制作していたが 最終日に肩が痛くなり制作を断念 3年前の夏 五十肩になり 夜も眠れない激痛だった…