欲望その17

美術館の記述を進める 

エレベーターが開いたところは球体の内側のような空間だ 
ちょうど天地の中央、円周上の1点の位置だ 
球体の中心に向かって橋が架かっているので橋を渡っていく 

橋は中心部までで途切れ そこには長椅子がある 
とりあえず長椅子に体を預けてみる 

すると 橋がゆっくりと引いていき 長椅子だけが球の中心に置き去りにされる 
補助人も中心部のデッキとともに下降していく 

ここは その3 で記述した瞑想の部屋のようだ 
長椅子は油圧式のアームで支えられ中空を漂うように動く 
転落しないように 体をゆったりと包み込む感じだ 

上空は真っ白いドームのはずだったが 照明の加減で無限の空間のようにも見える 
プラネタリウムにも使えそうだし 魚眼レンズで撮影した映像を見せてもいい 

手元にはコントローラーがあり いくつかのメニューが用意されている 
まるでマッサージチェアのようだ 

メニューを選択しSTARTボタンを押すと 
長椅子の動きや音響、風量、香りなどが制御され 瞑想の世界へと誘うのだ 
眠ってしまうゲストもいる 
後から来るゲストがいなければゆっくりと休んでほしいところだが 
通常は5分程度で中央のデッキが上がり エレベーターと対面する方への橋が架かる 

束の間の瞑想を終え 橋を渡って対岸の出口へと進む