ご立腹さんが出てくるのを待っている間 パビリオンのことを考えた 普通は大体 万人受けするように造られている 危ないメッセージはない 当たり前のことを言っている しかし その当たり前のことが 実は重要な場合が多い 自分の利益ばかり追求する者は 違法投…

次の組の終了時刻となり 続々とゲストが出てくる さっきのご立腹さんが 出てくるのを待つ きっと私同様に ふっきれて出て来るに違いない そしたら こう言おう どうも さっき隣にいた者です 私も意地を張って２回やったんです でも やってみると意外に楽しい…

体験型作品の部屋を出ると 通路から 檻の中を見られるようになっている 私が入った滑車からは見えなかったが 鉄格子の間にマジックミラーがあったのだ ゲストは皆 立ち止まって中の様子を見ている さっきまで 自分が置かれていた状況を あいつは早い とか あ…

係員を呼び止める すいませぇん こっちこっち 何のリアクションもない 耳が聞こえないのか ちょっとぉ こっちを開けてくれ 無視された 私が滑車を回していないから もう一度やらせるつもり か 次々と滑車の扉が開けられ ゲストが解放されていく しばらくする…

ゲストの全員が滑車に入ったようだ アナウンスが流れた 皆様 夢御殿へようこそ この作品は 超越 と題する体験型アートです はじめは歩いて 回してください 歩調を速め 勢いがついてきたら走ってください ただし 転ぶと大けがをしますから ご自分の体力に合わ…

そこには 大きな車輪のような物体が 所狭しと並んでいる どれも同じ 金網のような素材でできている それぞれに扉がある 機械の中へゲストがひとりずつ入れられ 外から鍵を掛けられている 私は躊躇した こんなことは望んでいない 係員に言った あのぉ 私は 中…

前の人へ続いて進んでいく もうすぐ 出口だ と思いきや その脇でカウンターを持って 人数を数えている係員がいる さっき話した人が入ろうとしたところ 係員が制止した どうやら定員があるようだ 出口だと思っていたが その先に何かあるらしい しばらく待たな…

間もなく扉が開いた shortcutを選ぶ人は意外と多いようだ 扉を押さえて 入って来る人を中へ入れる 出ようと思うと 次々と人が入って来る 皆 長蛇の列を見て文句を言っている あっという間に扉のところまで列ができてしまった まだ 扉の向こうに人がいるので …

扉を開け 中を覘く 何の装飾もない通路だ 真っ直ぐに伸びる通路の先に 扉が見える 出口だろう 退屈なパビリオンを見ずに済んだ 扉を開けると 目を疑った 何と そこにも長蛇の列があった 私以外にも 近道をしよう と考えた人が大勢いたのだ もしかすると こち…

さて パビリオンの入口へ向かう 気が重いのは 長蛇の列 のせいだ よくもまあ 長時間並ぶことができるものだ と感心する 私は気が短いので 並ぶのは死ぬほど嫌いだ 予定調和で締めくくるパビリオンの 一体どこがおもしろいのか 全く理解できない 時間の無駄だ…

そもそも アートとは 何だ 衣食住行が満たされた後の 玩 すなわち 娯楽か 今 腹が減っている 目の前に ステーキと風車の絵がある どっちを取るか 間違いなくステーキを選ぶ アートとは そんなもの か では ものすごく腹が空いている もう何日も食べ物を口に…

パビリオン と言えば 大阪万博の太陽の塔は 今にして思えば個性的だった 芸術は爆発だ という名セリフで名を馳せたアーティストの作 らしいが 実力も伴っていた のだろう 芸術 イコール 狂気 という アートに対するイメージを世間に植え付けた しかし 爆発ば…

テラスで休んでいるときから 見えていたが 見ない振りをしていた テレビコロシアムと反対側に奇妙な建物がある 万博のパビリオンのようだ 有名な建築家の設計らしい 次はそこへ入っていくしかない のだろう だが 私は万博のパビリオンが大嫌いだ 未来やエコ…

美術館のテラスで お茶を楽しんだゲストは そろそろ重い腰を上げる 次へ進まなければならないのだ 現代美術の父は マルセル・デュシャン だと言う 既成概念を覆した作品で 美術界に新風を吹き込んだ 私が通った高校の美術教諭は 現代美術はデュシャンに始ま…

今日はスイス人のゲストが来る スイスの国籍を取得しているが ベトナム生まれだ ベトナム戦争のとき スイスへ渡ったそうだ 私と同じような東洋人の風貌をしている ６年前 パリのレジデンスで出会い ピンポンをしようと誘われた レジデンスの隣にある公園には…

今 少し注目している車がある アメ車のHUMMER H2 これはいい ２ｍを超える車幅は 圧倒的な迫力だ 軍事目的で開発された車が 庶民の足となる サーキット走行は不得意だが オフロードは強い 今日は泥だらけになるのを覚悟して オフロードコースへ乗り込む さす…

市販車のデザインには幻滅する だから カスタムするのだ フロントグリルを交換し スポイラーを付け ホイールを履き替える 自分なりのドレスアップを施すと 個性的なマイカーの完成だ でも それで満足するわけではない 最近 私が傾倒しているのは 軽自動車の…

四季があるのは いい 日々刻々と 景色が変わっていく 日差しや雲 空や木々の色 水が温み 風が変わる 竹林を散策すると たけのこが目立つ 間引きしないと あっという間に伸びてくる 手入れをしないと 美しさは保てない 人も同じだ 女性は美しさを維持するため…

昨夜はちょっと飲みすぎた ロビーで ナインボールをしながら やめておけばよかったのに 酔った勢いで あと１本 と飲んだビールが 効いた まだ寝ていたいが トイレに行きたいので起きる 今日もやらなければならないことが たくさんあるので ベッドに戻りたい…

簡単なことを さも難解なことのように言及している文章がある 文字がびっしり並び 活字を追っていっても 何を言わんとしているのか さっぱりわからない 記述の技術 というか 言い回しに陶酔しているとしか思えない そういう文章は 概して引用が多いものだ 博…

欲望というタイトルに釣られて訪れるゲストには申し訳ない 性に関する記述を求めて覘くのか 性欲を満たしてくれるパートナーを探しているのか 期待はずれだ Hな記述や画像もなく 文字の羅列だけの退屈なブログに見えるだろう 記述を読むと こいつは誇大妄想…

都心は地価が高いため 高度利用する必要がある が 国や都道府県庁のように 業務が多いと 高層化した方がよい のかもしれない つまり 床を上下に配置し 昇降装置を付ければ 移動が楽だ 都庁は第1第２庁舎を合わせると 延床面積は約３８万平方メートル これを…

人間には 実に様々な欲がある 独占 征服 支配 など 自分の力を裏付けるこうした欲望の根幹は 性欲や食欲に帰属する ものなのだろうか 旨いものを食べ よきパートナーを得て 優良な子孫を残したい そのために 身なりを整え よき棲家を用意する 動物も これと…

さて 扉と言えば 書斎などには 大体隠し扉があって 隠れ家や避難路へ続くようになっている 私の書庫にも 実は隠し扉がある 書棚の 非常事態 という本の背表紙を押すと 隠し扉が開くようになっている 中へ入ってボタンを押すと扉が閉じる ボタンの脇に 懐中電…

食品庫の扉は頑丈に作られている 夢御殿では めったに起こらないが 不法侵入者があったとき ここがパニックルームになる 中に入ってスイッチを押す と外部から進入できない モニターの電源を入れると 外部の様子を見ることができる モニタリングにている映像…

さて 今日は厨房で料理を作る ここへゲストを招待することはほとんどないので 自分の食事が用意できるだけの機能を備えていればよい シンクとガステーブルは同じ並びに配置してあるが ガステーブルはシンクより１０ｃｍ低い その方が調理しやすいのだ シンク…

そうだ アートは投資の対象 でもある そういう物差しでしか見れない人間もいる 将来有望な作家をいち早く発掘し 作品を安く手に入れ 評価が高まると売却して利益を得る 株式のようだが 目先が利かないとできない そういう意味では 芸術のよき理解者であり支…

テレビコロシアムのゲストは もうログアウトできただろう 美術館のテラスで お茶を飲んでいる頃だ すがすがしい顔で 他のゲストと ここまでの苦労を語り合っているに違いない しかし 同じ道を通って来ても 感じ方はそれぞれだ さて 夢御殿の美術館は トリッ…

静かな休日だ 心身を休め 自分を取り戻す 竹林を散策し 心を洗う 風で 竹林はざわめき 耳に心地よい 生きている限り 欲望はある が 加齢するとともに 消沈していくようだ 食欲や性欲は減退し 服装や住居も現状を正当化する 身の程を知り 受容するようになる…

さて テレビコロシアムのゲストは 脱出することばかり考えている 束縛されていると思うから 解放されたいと願う しかし 本当に束縛されているのか 自ら選んで ここへ来たのではないか 欲望を追い求め 破綻する奴がいる 欲望を抑え 大成しない奴もいる 直面す…