欲望その68

簡単なことを さも難解なことのように言及している文章がある
文字がびっしり並び 活字を追っていっても
何を言わんとしているのか さっぱりわからない

記述の技術 というか 言い回しに陶酔しているとしか思えない

そういう文章は 概して引用が多いものだ
博識だなあ と感心する反面
他人の言葉を借りないと 何も言えないのだろう と思う


夢御殿は なるべく簡単明瞭に記述するように心がけている
描写も必要最小限に止め レイアウトにもこだわっている

はじめから 訪れているゲストは慣れてしまっているだろう が
夢御殿ビギナーは 違和感を覚えるかもしれない

夢御殿には 句読点がないのだ

、 は読点であり 読むときの区切りである
息継ぎと言ってよい かもしれない
でもそれは スペースで表現できる

 。 はピリオドであり すなわち 終止符を意味する
言説空間の建築は 果てしない
無限の欲望に ピリオドは似合わない