酒屋の配達

高校1年生の夏休み 生まれて始めてバイトをした
目的は北海道旅行の旅費を稼ぐため

近くの商店街にある酒屋の貼り紙を見て 配達手伝いの仕事をした
朝8時半から夕方5時半まで 定休日の火曜日とお盆休みを除く毎日 酒屋へ通った

配達をしていたのは イサオさんという名前だった
その人の指示でトラックにビールや日本酒のケースを積み
助手席に乗って 中華街などへ行って酒を届け 空瓶を回収する

ビール大瓶のケースは重かったが イサオさんは2ケース持って運んでいた
私は1ケースしか運べなかったが コツを聞いて運べるようになった

配達を終えて店に戻ると昼近く
空瓶を仕分けして午前中の仕事が終わる
私は自転車に乗って家へ帰り 昼ごはんを作って食べる

午後1時に酒屋へ行き 自販機へ飲料の補充をし 店の手伝いをする
お客さんの車に酒を積んだり 近くの団地へ酒を届けたり
倉庫の片付けや整理をしたり まあ丁稚奉公という感じだった

店には立ち飲みコーナーがあり 午後4時頃から常連さんが集まって来る
私がカウンターの中に立って 常連さんのお相手をするようになった

バイトをした日数は25日位 得た収入は12万円位
年末も忙しいから また手伝って と酒屋の主人に言われた



(余談)
バイトを終えた翌日から4日間 私は 1人 北海道へと旅立った
飛行機で千歳へ行き 札幌~旭川大雪山~帯広 と回った
16歳になったばかりだったが 旅先では大学生に間違えられた
その年末 翌年の夏 そして年末 その酒屋でバイトをした