一人芝居
私の表現は 何か形にすることだったのか?
タブロー 箱 衣… それらは形であった
しかし衣の作品を着て人前へ出ることは 何かの形となり得るのか?
人々と出会い 対話し 写真に納まること
他者が用意した舞台に乱入し 予定調和を壊すこと
では 自らが用意した舞台で 私は何かを表現することが出来るのか?
私は生まれて初めて 一人芝居を演じた
否
演じたのではない
展示した自らの作品と対話しただけだった
ストーリーはなく 舞台がシナリオと化した
音は 澄んで美しく
小さくもなく 大きくもなく
聞き流す程度の しかし
鼓動と呼吸に 共振しただろう
聖なる灯りは
少しずつ輝きを増していった
それが不足の美であることに
いつか 気が付くことだろう
未開の 意識の封を切るように
私自身も 新たな地平へ向かって…