欲望その0(プロローグ)

心の旅から戻ってみると 夢御殿は旅立つ前のままだった
しかし 人影はなく 荒涼としていた

私がつくり上げてきた夢の住まいを 改めて見ると
欲望の果てに滅びた過去の都市の幻影が重なるようだ

人にとっての幸せとは・・・ 幸せな人生とは何か?
身の丈に合った生活の場があれば それでいいのではないか

欲望というものは 自然の発露であって 何も覆い隠す必要はない
しかし 社会の中で生きていくには ルールに抑制され また
自らをコントロールしなければならない

私が構築した言説空間の建築は 抑圧なき欲望であっただろうか・・・
ここを訪れてくれたゲストを 今一度呼び戻し
賑やかさを取り戻してみたところで それは空虚なつくりものでしかない

さて これから どうするか・・・
悩んだり 迷ったりしたときは 何故か海を見たくなる

では 行ってみますか 夢御殿の海へ