図面通りに出来上がった状態 ですよね？ 建築家としてはそれで完成だけど 建物を使う人にとっては？ 変わり続けるってこと ですか？ 内装変えたり 増改築もするでしょ いつまでも未完成 ということですか？ 完成されたものってある？ そう言われれば 完成度…

付帯工事 あ そうだわ！ 宅地内の配管 外構 植栽 車庫 車庫は要らないわ でも来客用の駐車場は要るよね いったい いくら掛かるのかしら？ まだ あるよ えっ まだ？ 家具 あっそうだ！ カーテンも 全部で・・・３億円くらいかな？ まあ 私には無理ですね あの…

ということは ここは現実？ 違うよ では まだ夢の中？ 違うよ どっちなんですか！ どちらでもないし どちらでもある 何それ？ まあ 後でゆっくり話すとして 建築費の試算 始めるよ はい 設計費はなしですよ あー 自分で出来るからね 施工費はいくら位？ ＲＣ…

１種低層は 北側の敷地境界から５ｍ立ち上がって １０分の６勾配だから 高さ７ｍの斜線の位置は？ 敷地境界から・・・１２００ でしょ １８００あるし４５度傾いているから そうか ルート２倍になる訳ですね 楽にクリアでしょ！ そうすると１９．５＋１．８…

４つのキューブの２階を繋ぐんですね そういうこと いいですね♪ そう言えば思い出したんだけど 何ですか？ 裁判所でね は？ 裁判官だけは別の入口から入ってくるんだよ え？ 何か特別な存在みたいな感じ 服も変だし それで？ 会議室２階のには２つのドアがあ…

住宅のレイアウトなら得意ですよ まあ 一緒にやってみようよ ほどほどにお願いします まず １階はキッチンとダイニングとリビングと・・・ トイレと洗面所も要りますね で ２階に寝室とガラス張りのバスルーム ガラス張り いいですねぇ♪ 洗濯はどこでする？ …

じゃあ もっと変わったこと言ってよ では 色はピンク ピ ピンクのキューブの結合体 す すごい では サイケとか サ サイケ・・ どう？ さゆりさんって いきなりトップギア 入るね だから バベルの塔造った って言うんでしょ ハハ オチがマンネリ ま 今回は現…

まず土地探しですね 建物主体じゃないの？ 現実には まず土地がないと どんな土地？ 駅に近い閑静な住宅街で 日当りが良い整形地 月並みだなぁ あと眺めが良ければ 眺めが良いのは高台だよ 駅から坂を登る まあ 多少は 前に他の建物があると眺めがよくないか…

さゆりさんと再会して考えた 何を？ 現実の建築って制約があるでしょ はい 制約だらけ その制約の中で施主の要望を最大限満足させるのが建築家の仕事？ ですね では 制約が一切ないとしたらどう？ うーん 設計できないかもしれません コスト度外視 何でもあ…

何に？ ここで虚構の建築をして 虚構 と言ったけど 私にとってここは虚構じゃない 現実だと？ ここにいるときはね 物語 ですよね？ インターネットも ひとつの世界 あなたはネット上で 生きているの？ あなたがこれを読んでいるときはね そう言えば 思い出し…

ここは夢御殿・・・ 希薄な現実と濃厚な虚構 あなたなら どちらを選ぶ？ 私なら・・・ 後者かな？ いいえ 希薄でも現実がいい？ はい 実空間での建築が？ ええ どうして？ 人との付き合いの中で仕事が出来るから ここでも付き合いがあるでしょ まあ そう言え…

人は明かりを求める 日中は陽の光 夜は月か満天の星明かり・・・ 都会では街の夜景かな 見えるということは 光を感じること そして 光があれば影ができる 実在感は影を意識することによって強まるだろう

「夢御殿さん こんにちは」 「ん？ 誰？」 「私です」 「ん？ 会ったことあったっけー？」 「いいえ」 「じゃあ わからないなー 誰なの？」 「誰でもいいじゃないですか ここは匿名の世界なんですから」 「ああ そうだね・・・で 何か用？」 「ちょっとお聞…

「ばかでかい、白い灯台のような建物がワタシの住まい・・・ しかし、近づいてみるとその建物の中は・・・」 「何？」 「まるでエッシャーの絵のような不思議な空間」 「無理だよー」 「御殿さーん あれもこれも無理やって トーンダウンしちゃうよー これ フ…

愛さんの息子さんすごいなー こんなの造れるなんて・・・ ふ～ん そうか そうか こうなってるのか 構造体を外側にして ラバーで包んだのね・・・ これなら陸地を転がっても ガラスは傷つかないからな～ それで こっちは・・・ なるほどね～ フロート構造にし…

「夢さん 大丈夫ですか？」 「んー さっちゃん？ じゃないか・・・」 「私です 愛です」 「アイー？ え 愛さん？ どうして？ あー そうかぁ ガラス玉が」 「すみません 驚かせて」 「ああ びっくりしたー 遠くにあったと思ったら いきなり目の前に来て」 「…

「電話切れちゃった えーと えーと リダイヤル・・・ んー 出ないなー どうしちゃったのかしら 御殿さん・・・ もしかして UFOに捕まっちゃったとか あー パーティ大事やし けど 御殿さん 心配やし んー どっちを取るか さち よく考えろ えーと えーと どっ…

海の上空に浮かぶ球体は 私が愛さんの家に組み込んだドームに似てる しかし 大きさが違うような気もする そして なぜ 宙に浮いているのか わからない ん？ 電話・・・ 「もしもし」 「あー 御殿さん？」 「ああ さっちゃん？」 「うち 戻ろうと思ったんだけ…

「どうしたの？ 御殿さん いきなり」 「さっき観たのは 星じゃなくて ガラスドームだよ」 「えー 何それぇ」 「多分 愛さんの家に被せたやつ」 「それが どうして 星に見えたの？」 「わからない 行ってみないと・・・」 「じゃあ 早く行きましょうよ」 「オ…

「大丈夫か！？」 「気を失っちゃったよ どうしよ」 「川の水 かけてやりな」 「そうですね・・・・・・・・・（ポタポタ）さっちゃん！ 大丈夫！」 「うーん・・・」 「大丈夫だよ お化けじゃないよ！」 「何？ お化けだと？」 「あー すいません・・・ちょ…

「川 川！」 「おっとっとー セーフ・・・」 「気をつけてよー」 「んー 大丈夫だよ これ 水の中も走れるから」 「え？ それ スゴイわ やっぱり ええなー このクルマ」 「川 渡ってみる？」 「今日はだめ！ 新車なんだから これ」 「冗談だよ・・・ ねえ さ…

走り去る愛さんのワゴンに手を振った 「御殿さ～ん」 「おっとー 誰かと思ったら さっちゃんかー」 「誰？ あの人」 「ああ ミュージシャン なのよ」 「ふーん いい雰囲気みたいだったけどぉ」 「そんなんじゃ ないよー お互い家庭あるしー」 「もしかして …

「これでよし！」 「えっ え～～～！ ちょっとすごいんじゃない」 「いいねー 丁度 ぴったり はまったよ 跳ね出しの部分も ね！」 「ね って 夢さん 私は気に入ったけど うちの旦那と息子が何て言うかしら・・・」 「崩れそうだったことを ちゃんと説明して…

「えーっ！ そうなのー 知らなかった・・・」 「じゃあ 自分でやらないとね」 「何を？」 「補強工事だよ」 「でも 建築会社の人は大丈夫だって・・・」 「大丈夫じゃないから クラック入ったんじゃない！ 中もクラックが入っている筈だよ 気付かなかった？…

「何 驚いてるの？」 「だって 不思議な建物だからー」 「どこが？」 「どこって 全体的に・・・何て言うか・・・アンバランスな感じ」 「息子がデザインしたのよ 一応 クリエイターなんだから」 「ああ どおりで・・・」 「何だって言うの？」 「きれいなん…

何だ陸地か・・・ 時化で打ち上げられたんだなー どこかなー ここは・・・えーと ナビ ナビ・・・ むむっ ここは島じゃないか・・・でも あまり大きくないなー 私はハッチを開けて外へ出た きれいな砂浜だったので 船底のガラスは ダメージを殆ど受けていな…

漂流住宅は 潮に流され 穏やかな海を漂う 海はいいなー 久し振りの休息・・・ ああ 気が抜けると 睡魔が・・・ 夢御殿の 瞑想の部屋 の夢をみた ソファに深く寝そべって 上下左右にゆったりと大きく揺れる・・・ ん！ ちょっとおかしいんじゃない 揺れ過ぎだ…

夢御殿鉄道に飛び乗り ドアの窓から なおちゃんが追ってくるのが見えた 何か言ってるようだったけど 何だったんだろう？ 一通りのことはやったから あとは自分でやるだろう 夢御殿の電車に乗ったのは初めてだ どこからどこまで走っているのかわからない・・…

「ここにさちワールドを造る気だよ」 「そうみたいですね」 「じゃあ ここは さっちゃんに任せて・・・ そうだなー ５キロくらい離れたところに なおちゃんの駅を造ろうよ」 「夢御殿中央駅ですか？」 「んー 中央ってのはどうかなー」 「中央にしてください…

「そうですね もっと夢のある話にしなくちゃ・・・ そう オランダのような雰囲気の家がいいかしら」 「オランダ？ それはまた どうして？」 「私 ハウステンボスで働いて・・・ あの雰囲気が好きなんです」 「へー まあ確かに きれいに造ってあるよねー」 「…