欲望その6の4(ガラスドーム)

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「これでよし!」

「えっ え~~~! ちょっとすごいんじゃない」

「いいねー 丁度 ぴったり はまったよ 跳ね出しの部分も ね!」

「ね って 夢さん 私は気に入ったけど うちの旦那と息子が何て言うかしら・・・」

「崩れそうだったことを ちゃんと説明してね クリエイターだったら わかるよ きっと」

「そうね♪ それに この方が素敵ですものね」

「そうだよ 帰って来たら びっくりするだろうね」

「ほんと! 驚いた顔が目に浮かぶわー あ そうだ そろそろ迎えにいかなくちゃ」

「え? どうやって 迎えにいくの?」

「クルマよ」

「えっ! ここは孤島じゃない」

「あのねー 夢さんには教えてあげる」

「何?何?」

「知りたい?」

「うん」

「どぉしようかなぁ やっぱりやめようかなぁ」

「何じらしてんのー 早く教えてよ」

「あのねー」

「あー! わかった 海底トンネルがあるんでしょ!」

「なんだー わかっちゃったのぉ つまんないなー」

「そうか そうだよねー ミュージシャンだから
 楽器とか機材をクルマに積んで コンサートへ行くんだもんね」

「そうよ クルマがないと 仕事にならないわ」

「ねえ 愛さん 旦那さんと息子さんを迎えにいくんでしょ・・・
 私を乗せてってくれる? 陸地まで」

「う~ん どうしようかしら・・・旦那と息子以外の男をクルマに乗せるなんて」

「おとなしくしていますから・・・」

「まあ 仕方ないわねぇ 家も直してもらったし~ ここに置いて行って 何かされても困るから」

「そうそう ガラスドーム 外しちゃうよー」

「それは困ります」

「じゃあ 行こう」


愛さん運転のワゴンが 海底トンネルを抜けていく


「夢さん これして」

「ん? 何これ? ハチマキ?」

「違うわよ 目隠し」

「え! なんで?」

「秘密の海底トンネルだから 入口を知られたくないの」

「あー そうか わかったら 皆いっちゃうもんね 孤島へ」

「そうよ だから 目隠しして」

「私は大丈夫だよ 誰にも言わないから」

「だめですよー うちの決まりごとなんだから」

「んー ここは私の夢御殿なんだけどなー」

「何言ってるのか さーっぱり わかりません」

「ここは! わたしの!」

「ほら 早くして! もうすぐ出口よ」

「はいはい わかりました」

「ちゃんとしてね」

「はい しましたー」


しばらくするとクルマが止まった


「もう いいわよ 外して」

「はいはーい・・・ ん? ここはどこ?」

「駅よ 中央駅」

「あー なおちゃんの駅かー」

「じゃあね 私は行くから」

「あー 愛さん」

「何?」

「ありがと!」

「何よー 改まって・・・こちらこそ ありがと!」

「旦那さんと息子さんに よろしくね!」

「ああ びっくりするでしょうねー」

「でも 気に入ると思うよ」

「そうよね! 夢さん」

「歌 また聴きたいなー」

「じゃあ コンサートに来てね」

「ん 行くよ! そこでやるんでしょ」

「え? どこ?」

「そこだよ」

「えー! すごい大きなスタジアムー」

「いつかね」

「ええ きっと!(@^∀^@)V」




画像:ジオデシック・ドーム(1967年モントリオール万博アメリカ館)
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