深夜の道路掃除

大学へ通うようになると金が要る
コンパもあるし デートもするし 欲しい物もたくさんある

親には学費・交通費・画材代を出してもらっているので それ以上言えない
学業に専念すべきだが バイトをしないとやりたいことができない

バイトを探したが なかなかいいのがない
学生課のバイト募集票を見ていたら 単発だが高収入のがあった

募集元は 建設省の道路管理受託業者
内容は 清掃作業員の服装で集合写真撮影に参加
時間は1時間程度 報酬は1万2千円位だったと思う

深夜 散水車と清掃作業車が道路の端を走っているのをご存知だろうか
あの車が走る前に作業員が徒歩で 歩道や植え込みのごみを道路へ掃き出す

その作業員の数を水増しして報告すれば その分請負代金が増すだろう
もしかすると 予算をより多く獲得するため 国からの指導でそうしたのかもしれない

まあ それはよしとして そのバイトへ同級生と行って
与えられた作業着を身に付け ヘルメットを被り 作業車の前に並んで撮影
帰りにバイト料を受け取った後 そこで働いているバイトの人からお誘いが・・・

作業員の待機場所が大学の近くにある
夜8時頃から4~5時間働いて 待機場所に泊まって 翌朝大学へ行ける
週2日でいいから やらないか

まあ バイトが見つからないから とりあえずやってみるか と始めた
待機場所はアパートの1室・・・ とてもきれい とは言えない
作業員のバイトは4~5人・・・ もちろん男ばかり

リーダーが運転するトラックに乗せられ 4号線を北へ
10km置き位に1人ずつ降ろされ 竹ぼうきを持って夜の国道をひたすら掃く
黙々と掃除をしていると 深夜1時頃 迎えのトラックが来る

8日間位やって 給料日に貰ったのは3万5千円位

その後 何回か行ったが 深夜 1人で掃除をしていると
実に虚しい気持ちになり その虚しさに耐えられず 辞めてしまった



(余談)
3万5千円で 携帯カセットプレイヤーを買った
片道1時間半の通学が退屈しなくなった