油絵通信講座(その2 画題の設定)

油絵の道具が揃ったら 描き始める前に重要な準備があります

まず 描くものを決めなければなりません 風景 人物 静物・・・
絵画教室などへ行くと 課題のモチーフが与えられますので それを描けば良いのですが
自分で決めるのは なかなか難しいかもしれません

特に第一作の記念すべき油絵になる訳ですから 気合も入るでしょう
しかし 写実的に描けるようになることを目標にして 勉強のために描くのなら
自画像か静物が良いと思います

自画像であれば いつでもモデルがいる訳ですし
静物画であれば 室内にモチーフをセットして比較的容易に描くことが出来ます

静物のモチーフとしては 野菜や果物 皿や瓶などをご用意ください

ここで注意すべきことは 一度セットしたモチーフは 絵が完成するまで動かさないことです
位置関係が変わると形が狂います

油絵の具は厚みにもよりますが 乾燥するまでに少なくとも2~3日掛かります
乾かした上に違う色を乗せたり 生乾きの頃 画布上で絵の具を混ぜ合わせるように描くと
色に深みが増します

(乾燥を速めるため絵の具に混ぜるメディーム類もありますが 混ぜすぎると
 絵の具の発色が悪くなったり 後でひび割れしますので 使い過ぎないように・・・)

従って F10号の絵が完成するまでに 数日から数週間要します
その間はモチーフを動かせませんので ご承知おきください

フリー百科事典ウィキペディアに 静物画 に関し興味深いことが書かれていますので ご参考までに

朽ちていく物を描く のだとか・・・

上達すれば エスキースを元に描けるようになりますが 初心者は腐りやすい物を避け
レモンやリンゴ 皿 花瓶などを描くのが良いでしょう

モチーフをセットする場所ですが 日光が当たる場所は避けてください
食物が腐りやすくなるだけでなく 光の状態が変わりモチーフが違って見えてしまいます

アトリエは北窓が良い というのはそのためです 1日中 安定した光が入ってきますから・・・

そして 昼に描いたり夜に描いたりしないことです
モチーフに当たる光の状態が変わると 違って見えるためです

それから 油絵は臭いがあるため ダイニングや寝室で描かない方が良いと思います
(もっとも 描くと臭いが家中に広がりますが・・・)

次に 台に敷く布は多少しわを持たせて置く方が勉強になりますが あまり複雑なしわにすると
モチーフ台が波打ったようになりますので 最初は白い布を自然に置いて下さい

そして 布の上に皿や果物類を置きます 鉢植えの観葉植物や花瓶など少し高さのある物や
卵など小さめな物を入れるとモチーフのバランスが良くなります

モチーフをセットすることも 絵の勉強になりますから いろいろ試してみてください