油絵通信講座(その3 テーマ設定)

静物画のモチーフをセットしたらモチーフを
自画像を描く人は鏡に写ったご自身を観察してください

見る位置や角度を変えて いろいろな方向から描く対象を見て
絵になりそうな場所を探すのです

まず 感動しなければ良い絵は描けません 描く対象に美しさを見い出すのです

力強さ 躍動感 静寂さ 儚さでも構いません 何かを感じ取るのです

自画像の場合は 自分を見つめる良い機会になると思います
そして 内面が表情に出てくることでしょう

喜怒哀楽 笑い 微笑 叫び 苦しみ 憂い・・・自分の顔や手を使って
今の自分の心情を描き出すと良いでしょう

静物画の場合 モチーフ個々の色 形 材質感は もちろん大事ですが
モチーフ全体のバランス 即ち色彩や陰影の配置 対比 流れなどを見てください

目を細めて見ると 色ではなく濃淡が見えます 影も観察しなければなりません
物体が存在するということは 必ず影を伴うのです

そして 画面に物語を作る気持ちで考えてください

第一にテーマを絞ります モチーフ全体を均質に描こうとせず
例えば 黄色いレモンがきれいだなぁ・・・と思えばレモンを主役にし
他の物はレモンを引き立てる脇役になってもらいます

しかし 脇役も重要ですから第二にサブテーマを考えます
例えば 赤いリンゴがふたつあって その間の奥にレモンが見える・・・とします

人は手前にある物に焦点を合わせがちですが 隙間の奥にある物に視線を向けてみるのです
すると それまで見えなかった物が たくさん見えてくる筈です

絵画教室などで他の受講生と一緒に描く場合はご法度ですが
自分一人で描く場合は モチーフを動かし 物と物との配置バランスが良くなるように
あるいは他の物と交換しても構いません

こうしたテーマ サブテーマは「見せ場」とも言います 舞台芸術みたいですね
一枚の絵の中に 見せ場がたくさんあり過ぎると 見る人は視線の行き場を失います
見せ場はひとつか あってもふたつ位です

絵は 描く前に良くなるかどうか 決まってしまうものですので
描く対象をよーく観察し 見せ場を決めてから取り掛かってください