展示計画その3

衣作品の位置を決め 骨格は出来たが

今回の個展の目玉となる電飾打掛スーツ5点組は かなり眩く発光するため

他の展示作品に多大な影響を及ぼすことが懸念される



どうしたものか? と模型を眺めているうちに 画期的なアイディアが浮かんだ

これから素材探しに奔走することになろうが そのアイディアで全ての作品が生きてくる

空間が重層的になるとともに 箱とタブローの設置場所の自由度が高まった 



さて 展示計画はこうした物理的な配置検討は当然行うものだが

テーマやタイトル 更にメッセージに関しても十分な考察を要する

個展であるため作家名だけでも構わないが 慣行として展覧会テーマを設けるものだ



年頭に思索を巡らせた個展の構想によれば テーマは「アイデンティティ」である

これまでの個展タイトルや作品名に アクロス・アイデンティティ サンプリング・アイデンティティ

なにわアイデンティティ トランス・アイデンティティなどがある



しかし 前回の個展は「欲望と抑圧のドレス」とした

これは上野千鶴子氏の「脱アイデンティティ」という本のタイトルに衝撃を受けたためだった



私はその後も ポスト・アイデンティティについて考え

いつまでもアイデンティティに拘ることもない と思うようになった

それは電飾打掛スーツという 私にとって究極の「衣」作品の完成が背景にあるのかもしれない



ここで客観的な視座で見てみよう

私が電飾スーツを着て展覧会等のオープニングへ行くようになってから約1年半・・・

東京・横浜界隈で 私は電飾男として美術界で知られるようになった



その男が個展を開くのだから 観る人々は当然 電飾スーツを期待する

これまで3回 電飾コンビでで出没したが 殆どはソロ・パフォーマンスだから

電飾衣装が5点も並んだ展示は圧巻だろう



案内状の写真は電飾打掛スーツにするため それだけでも十分に伝わるかも知れない

変なタイトルを付けると 焦点がボケるだけだ



考察を続ける

鎌倉画廊は 大船駅からバスに乗って約15分

東京から行こうと思っても ちょっと気合いが必要だろう



電飾男ならオープニングで見られるから・・・と思われない工夫が必要かも知れない

展覧会のタイトルは 見に行きたいという気持ちを起こさせるべきものだから

「電飾打掛スーツと知られざる作品群」 であれば・・・ ん? と思わせることだろう



しかし それではあまりにも野暮である

サブタイトルに留めておくレベルだ

引き続き検討を要す