夢御殿には 長年咲かなかったスズランがある
今年は花の蕾が出てきたので 毎日 その生育を見守っていた
霧のような細かな雨が降ったとき
傘を差さずに歩く人の姿が多かった
スズランを見ると その葉は微量の雨を受け止め
水の粒を作り出していた
僅かな水分でも 生息に必要な水を葉に留め
少しずつ根に落としていくのだろう
葉というのは
光合成するだけの部位だと思っていたが
水をすくって口へ運ぶ 人間の手のひらのような
役目も担っている のかもしれない
そのことを 可憐なスズランは 教えてくれたような気がする