欲望147の3

書置きには こう記されていた





    建築士は預かった

これから夢御殿を造り変えていく

      超自我





なんだ この古風な置手紙は…

超自我 って何だ?

夢御殿にいる例の謀反の一味か…


美人建築家を拉致して 夢御殿を変えようというのか


一級建築士だから 仕事も早いだろう

これはまずいことになったぞ

一刻も早く 美人建築家さんを取り戻さないと


私は バルコニーへ出た が

そこには何の形跡も残されていない


そうさ ここは夢御殿

ワンクリックで瞬時に移動できるんだ


さて 困ったぞ

ここには無限の空間があるから 探すのも厄介だ


私はベッドルーム窓を閉め

クロークを通って戻ろうとすると

美人建築家さんの荷物と服があるのに気が付いた


もしかして バスローブ姿で連れ去られたかも…

どうしよう この荷物と服…

とりあえず ここへ置いて行くか…

まず 美人建築家さんを取り返さないと!


私はゲストルームのドアに鍵をかけ 中央棟へ向かった

コントロール・ルームへ行き 夢御殿を見渡した


ん? 何だ あれは


サーキットのスパイラルカーブに異変が起きている