構図の重要性

代々木のアトリエは 自然採光で光がきれいだったため

モチーフの陰影が はっきり出て 描きやすかった

ただ 午後になると隣地のレンガ色の建物に陽が当たり

窓が赤く染まる…


さて Cクラスのモチーフは 白一色だったり黒一色だったり と

それまで 描いたこともないようなものだった

それを油絵で 描かせるんだ Cクラスの講師は…


なかなかやるなー と 私は思った


講師っていうのは 予備校生を大学へ合格させればいいんだ!

絵が下手でも 関係ない(× 削除かなー この部分…)


台に白い布を敷き 幾何形体の石膏や卵 ピンポン玉などが置かれたモチーフを

よく観察すると 布にはシワがあり 石膏と卵の色や質感は違う…


絵を描く というのは 目の前にある対象を 観察することから始まる

そして どこをどう切り取るのか考える… 画面は 縦 か 横 か


これが構図を決めるための大事な作業… そしてエスキースを描くんだ


よい絵になるかどうかは 構図で決まる と言っても過言ではない…

構図がよければ筆が進むんだ

あとはディテールをよく観察して 描き込めばいい


そうだ ここで大事なことを付け足しておくね!

現役生のとき 講師からこう指摘された

君の絵は見せ場が多すぎる 1枚の絵の中で 見せ場はひとつでいい…


そう テーマを絞ることも重要なんだ

絵を見る人の視線を考えながら 構図を考えなければ…


だいたい 画面の中央部分に主題を配置し 周囲に脇役を置く

絵を見るとき まず画面中央辺りに視線がいき

周囲を見て 再び中央の主題に戻る


私は そういう画面構成を意識して 構図を決める訓練を重ねた

構図がよくなると 絵の出来が抜群によくなった

Aクラスの多浪生の絵が 小手先の技術に依存した表面的なものに見えてきた


絵は 描き方 ではなく もの(対象)の見方・捉え方 が重要だ!

これは 文学にも 言えることかなー?