社会問題とアート

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箱の作品から脱却するために 試行錯誤しているとき

ボロフスキーの大規模な展覧会のことを思い出した

ニューペインティングと呼ばれていたその表現が新鮮だったため

そこにばかり目が向いていたが 私はあることに気が付いた


ボロフスキーの作品は一見すると個人的なテーマのように思えるが

実は社会問題を内包しているため 評価されているのだと思った


私は作家として また一個人として

社会問題に対して 作品で表現してみようと思った


まず 環境問題をテーマに選んだ

ゴルフ場開発が引き起こす周辺環境への影響について

トレーシングペーパーに川魚の実物大の写真をプリントし

ゴルフボールを包んだ作品を制作した(上の写真)


銀座の貸し画廊で開いた「水になりきるための演技」

と題した個展においては 作品と併せて

制作上 出してしまった廃水をポリタンクに入れて展示した

こうした作品は 確かに社会問題を取り扱っているが

わざわざ 作品にするまでもなかった かもしれない

しかし 私の意識が変わり それに伴って

作品も新たな展開を迎えるプロセスだった と思う