箱からの脱出

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私にとって箱の作品は 安易な手法だった

何かを入れてしまえば それなりに作品化してしまう
 
ハートのオブジェを作って 箱に入れた

個人的な 愛 の表現だった

閉じた箱を正当化するために 意味の変容 を読んだ

外部と内部と境界について 記述があった

箱庭療法 という本も読んだ

私が 箱を作っていたのは

病んだ心を治癒していた のかもしれない


そんなとき ニューヨーク在住の著名なキュレーターに対して

作品のプレゼンテーションをする機会があった

私が作品の資料と実物を見せると はっきりとこう言われた


君が箱の作品を作り続ける限り 常にコーネルと比較されるだろう と


明快な意見だ と思った

箱の作品は 私のライフワークだと思っていたが

これを機会に 箱の形態に囚われずに 作品を作ってみようと思った



画像は1987年の個展における「箱に入ったハートのオブジェ(7点組作品)」