欲望その24

今日はサーキットでレースがある
TOYOTA PRIUSの耐久レースだ

ガスを満タンにし ガス欠になるまで走る
速さではなく 距離を競うのだ
エコドライブに徹し ガスがなくなったら
最後はEVドライブモードで走るのだ

PRIUSオーナーがパドックに集まってくる
原則ノーマル出場としているが 内装や装備品を外したり 
空気抵抗を軽減させるため大型のスポイラーを付けているものもある
PRIUSにはちょっと似合わない
タイヤは自由だ 細いホールに履き替えている車が多い

優勝車は審査員がチェックする
燃料タンクの容量を量り 改造されていれば失格となる
不正が発覚すれば 信用を失うのだ

車に求めるものは 人それぞれだ
数多い車種の中から 自分に合った1台を選ぶのは難しい

量産ハイブリッドカーとして普及している車だけあって
レースへの参加者は多い
ほとんどは二代目だが 初代車も見られる

ガススタンドで満タンにし 審査員立会いのもと距離計をリセットし
走り出したところからレースが始まる
速さを競わないため 一斉スタートではない

順次サーキットへ出ていく
ゆっくり走る車もあるが ほとんどが概ね時速80km位をキープして走る
加減速をなるべくしないで一定の速度を保って走るのがエコドライブの基本だ

空気抵抗を減らすため 皆 前走車の後ろにピタッとついて走ろうとする
前を走る車が見えると少し速度を上げる
ゆっくり近づいていくと 前の車も速度を上げる

後ろにつかれるのは嫌なのだ

前の車に気をとられているうちに 後ろにつかれてしまった
振り切りたいと思って加速する と燃費が悪くなる
先に行け とばかりにインコースを譲るが 後続車はついて来る
スピードを落としてみるが 後続車は依然ついてくる
ブレーキを少し踏み 離す 速度が徐々に落ちる
このまま止まったら 後ろの車も止まるのか

レースとはこんなものだ
他者との駆け引きのようで 実は自己との戦いである

時速30kmくらいになったとき 後ろの車がサッと消えた
と思うと 横を違う車がすり抜けて行った
私の後ろを走っていたPRIUSは その車の後ろにピタッとついて行った
コバンザメのような奴だ
それで距離が伸びるのか やってみるがいい

私はマイペースで行く