欲望その172

賽の河原から ゲストはそれぞれの秘密基地へ行った

最後のひとりも 自分の秘密基地を見つけて去った

私の秘密基地はここだから 再びログインした今

私だけがここに存在する


ひとりになると いろいろ考える

私がこれまで生きてきた人生

そして これからの人生…


今まで 欲望の赴くまま 記述してきた建築は

ゲストハウスあり 美術館あり サーキットあり

ドライブスルーあり ビアホールあり そして

無限上昇のバベルの塔



私は自分の部屋から こうした建築を眺めて 心が揺らぐ

自分で造っておきながら 何か気に入らない

何が気に入らない って聞かれても具体的に答えられないが

私が求めている建築とは異質だ


うまく言えないが それらは外向きの欲望から発生したから?

自らが自然と欲する欲望と 対外的な関係の中で生じる欲望があると思う

ゲストハウスやサーキットは後者の欲望であり

私の意識の中では パブリックゾーンに位置するものだ


それに比べ 箱庭に例えると左下にあるプライベートゾーンには

自宅と竹林 そして 意識の更衣室 と呼んでいる夢殿がある

やはり ここに来ると落ち着くんだ

夢御殿の中でも ここが私の秘密基地なんだろう