欲望その115

兼用したり 複合化することもあるが
家の各室はそれぞれ目的がある

寝室は寝るため 浴室は入浴のため
便所は用を足すところ

洗面所では手や顔や洗濯物を洗い
台所は炊事 そして 食堂は食事をするところ

これら以外に 生活上必要な部屋はあるか

居間は 食堂がその機能を兼ねるため
現在のライフスタイルにおいて
個室としての 居間 は必要なかろう

代わりに 納戸 があれば便利 かもしれない
増えていく物を保管しておくスペースがあれば
他の部屋がすっきり片付く

しかし 注意しなければならないのは
納戸に閉まった物を忘れてしまうことだ

生きていくうちに 所有物は増え続ける
普段使わないような物でも いつか使うだろうと
保管しておく が いつまでたっても使わない

納戸の奥で かびの温床になるだけだ

こういう事態が度々起こるため
納戸など ない方がよいかもしれない
日常生活に必要な物は それほど多くないのだ

ワンルームと呼ばれる住居を考えてみるがいい

約20平方メートルの空間に
人ひとりが生きていくために必要な機能が
コンパクトにまとめられている

画期的な発明だ と感心する

電話回線が備わり パソコン1台あれば
ワンルームに住んでいても
無限の居住空間を手に入れたも同然だ

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