欲望その116の2

次の間へ行くと 全自動洗濯乾燥機が並んでいた

少し待っていると ドアが開いて入っていた
タオルで体を拭き さっき脱いだ衣類と一緒に
洗濯機へ放り込み スイッチを押す

棚に置かれた服を着て 別の洗濯機から
衣類とタオルを取り出し 手際よくたたんで棚へ置く
昨日 洗濯したものかな と思った

次の間へ案内されると 冷蔵庫があり
中にビールとグラスが冷えていた
縁台に腰掛けてビールを飲む
湯上りの一杯は うまいだろう

グラスに注いだビールを一気に飲み干すと
ビールとグラスを持って 次の間へ移動する

ここは 湯上りの一杯のビールを
飲むためだけの部屋なのか
とても重要な部屋 だと思った

次の間へ行くと 小料理屋のような空間だった
各種のつまみがカウンターに並んでいる が
乾き物ばかりのようだ

でも 私の好物の いかくん があった
私は いかくんとビールがあれば
生きていける と思っている

カウンターに腰掛けて いかくんを食べながら
ビールを1本開ける

食事にしましょ と言われ次の間に移動する
そこには 立派なシステムキッチンがあった

冷凍冷蔵庫から皿に盛り付けられた料理を出し
電子レンジに入れて暖める

1週間分の食事を休日に料理し 勤務日はこうする ようだ
次々に料理が完成し キッチンのカウンターに料理が並ぶ

対面型のキッチンだが ここで食事をしないらしく
チンした料理を持って次の間へ行く と
テーブルとイスがある食事室になっていた

ワインがテーブルに置かれている
栓を抜いてグラスへ注ぐ
テーブルワインなので面倒な手続きを省略する

食事が済むと 食器を持って次の部屋へ行く
と 食洗機が並んでいる
シンクで皿をさっと洗い 食洗機に入れてスイッチを押す

たばこは吸う と聞かれ 頷くと
ドアを開けて 外に出された

私の家と同じように テラスになっていた
外の空気と一緒に ニコチンとタールを吸い込む
食後の一服 は欠かせない