欲望その130の3

中はバスルームだった
照明を点けると 白壁が美しい

中へ入ろうとすると
すみません ここは靴を脱いでください
と言われたので 靴を脱ぐと
これを どうぞ
と白いパイルのスリッパを床に置く

大きな鏡と 白亜の洗面台があり
その横に扉があった

このドアは と聞くと
すみません そこは開けないでください
中に洗濯機と 私の  と言葉を濁す
ああ 洗濯物があるんだ と思った

もうひとつ扉があったので
こっちのドアは と聞くと
そちらは浴室です と答える

中を見てもいい と聞くと 頷く
かわいい仕種だ

ドアを開けると 白いタイル張りの浴室があった
シャワーヘッドのシルバーがきれいだ

ちょっと使い心地を試してみたいんだが と言うと
どうぞ お入りください と言って出て行った

服を脱ぎ シャワーを浴びる
シャンプーとボディソープを借用する

いい香りだ

そそくさと 体を洗い流し ドアを開けると
カウンターの上に バスタオルとバスローブが
置いてあった

バスタオルで体を拭き 服を着ようと思ったが
脱ぎ捨てた服がない

カウンターの上にメモがあり こう書かれてあった