先日 千家十職の竹細工師の襲名披露展で
茶杓を拝見した
きれいな仕事なのだが余りにも普通で それが何を意味しているのか考えていた
茶杓は抹茶を茶器から茶碗へ掬い入れるための道具である
抹茶を掬えればそれで良いかと言うと そうではない
棗に乗せた時に安定しなければならないし 持ちやすく握りやすく
適量の抹茶を掬えなければならない
これまで色々な
茶杓を作ってきたが 自ら点前をするようになってから
見た目の美しさだけに捉われず 道具としての役目をきちんと果たすように…
例えば 服は着られれば良いかと言えば 着心地が良くなければならないし
車は走れば良いかと言えば 運転しやすく安全な方が良い
だから一見 何の変哲もないような
茶杓に秘められた「使い心地の良さ」を求めて…
手に取った時にそれが伝わるものを作り出したいと思った