受験結果

男子3人組は揃って多摩美を受けた

ひとりは合格 ひとりは補欠 ひとりは不合格


私は武蔵美を受けた が 落ちた

学科試験もだめだったし 実技も思ったように描けなかった

あー 高校生活を満喫したツケが回ってきた


芸大は記念受験のようなものだった

倍率は40倍… 志願者2000人余に対し合格者は50人

ということは ほとんどの人が落ちる…

受かりっこない って誰もが思うだろう

1浪2浪は当たり前 3浪4浪もザラにいる世界だ


芸大の1次試験のモチーフは マネキンだった

背後には木製のイーゼルがあり 布が掛けられていたと思う


試験開始の鐘がなると 試験監督がマネキンのカツラを取った


私はモチーフの正面に向かってやや右… 後ろの立ち席だった

前に座っている受験生のキャンバスで モチーフ全体がよく見えなかった

マネキンの上半身だけ描こうか? と思ったが

安定しないと思って 全身を入れる構図にした

よく見えないマネキンの下半身は 顔を動かして見て描いた



今にして思えば そこからして だめなんだ

見えなかったら 見える位置に動かないと…


上手く描けないなー と思って描いていたら 上手くいかないものだ


仕上がった絵に自信がもてなかった そりゃー当然でしょ

描く前から 受かる気がなかったんだから


私は1次試験の合格発表を見に行かなかった

既に来年の受験に向けて ひとり 予備校で石膏デッサンをしていた


他に描く人がいないので 石膏像を仰ぎ見るような位置から 横構図で描いた

受験の緊張が解けて 大胆に描くことができた


合格発表を見に行った男子3人組が帰って来た

多摩美に補欠合格したひとりが1次試験をパスしていた


聞くまでもなかったけど 聞いた

私はどうだった?

3人組のひとりが 首を横に振った


天と地ほどの差があった…  合格 と 不合格…

コンクールで勝っても 大学に合格しなければ 何の意味もない