欲望その3の2(セレブなビルオーナー)

「これでどぉ?」

「あーあ やっちゃった・・・」

「御殿さん すごいねー 夢御殿って」

「そ そうだね・・・ 何でも一瞬でできちゃうから・・・」

「ほら 見て見てぇ! あんなにたくさんの人が」

「えっ! えーーーーーーっ! もう電車走ってるのー」

「みんな 海水浴に来たんだねー」

「あんなに大勢の人が来たら 海岸がきたなくなっちゃうよー」

「掃除すれば いいでしょ」

「ま まあ そうだけど・・・ ここは静かな浜辺だったのになー・・・」

「おもしろいわねー 駅ひとつで こんなに変わるなんて」

「あのねー ここは私の夢御殿なんだから 勝手なことしないでよ」

「何言ってんのー ゲストさんが勝手に家 造ってるしぃ
 さゆりさんなんか無限上昇建築じゃない」

「そうでした・・・」

「じゃあ 次は駅の上にタワーを建てて」

「ん? 何階建て?」

「そうねぇ 私は建築家じゃないから ほどほどにして・・・ 30階!」

「へー そんなもんでいいのー 夢 小さいねー」

「あんまり高すぎるのもあかん・・・ 景色もよく見えんし」 

「確かに・・・ 50階くらいになると空しか見えないからねー」

「最上階は 私のペントハウスで 下は賃貸して収入を得るんや」

「おー さすが なにわのOLさんは しっかりしてるねー」

「働かんで 海を眺めて セレブな暮らし したいのよぉ」

「テナントさんは 入るかな?」

「もう 予約契約してあるわ・・・ えーと
 ティファニーさんとシャネルさんとエルメスさんと・・・」

「えー 一流ブランドばっかりじゃん」

「そうでもないわ ファミマさんとムジさんとユニクロさんも出店したいって」

「フロアによってテナントを分けるんだねー あとは?」

「高級スーパーと飲食店・・・それからホテル」

「あー 上の方はホテルかー 眺めいいしね」

「ありきたりかなー?」

「まあ そうかもしれないけど マーケティングからすれば そうなるだろうね」

「じゃあ 私のペントハウスのプラン 考えてよ」

「OK! でも その前にビル全体の仕様を決めないと」

「たとえば?」

「まず構造は SRCにして」

「何や? それ」

「ああ 鉄骨鉄筋コンクリート造のこと・・・ 頑丈にしようね」

「例の構造計算偽造問題があったからね」

建築基準法は最低基準法だから さちビルは2倍くらいの強度にして・・・と
 んー 柱と梁が太くなるなー」

「いいわよ コスト 考えなくて 土地も広いし・・・」

「ハイハイ・・・」

「ハイは1回!」

「はーい」

「伸ばさない!」

「はい!」

「そう いい返事ね」

「その おっかない犬が いるからなー 逆らえませんよ・・・」

「あら? 犬 怖いの? ( ̄▽ ̄+)キラン」

「それ 凶暴そうじゃん」

「そうねー ( ̄ー ̄+)ニヤリ」

「やめようよ そういう圧力で 人を動かすのは・・・」

「セレブになれるなら 何でもやるわよ さー続けて」