グレートマスターシリーズ2

グレートマスターシリーズ2
1999年/コンテンポラリー・アーティスト・センター/ノースアダムス市・MA・USA


イメージ 1コンテンポラリー・アーティスト・センター(CAC)は ノースアダムスの市街地から少し山間に入った自然豊かな場所にある非営利のアーティスト・イン・レジデンスで 巨大なスタジオとギャラリーを備えている

この年 CACは設立10周年を迎え大規模な展覧会を開催し その一環としてアイディーブティックの個展の場を設けてくれた
出展した作品は「グレートマスターシリーズ」の7作品

なぜ私がこの田舎の小さな町に滞在制作と個展開催のために行ったかというと 同市に巨大な現代美術館(MASS MoCA)がオープンすることになったためだ

そのオープニングレセプション(GALAというフォーマルなスタイル)へ 私はカウンタースーツで登場し 人々の注目を浴び 翌朝の新聞に大きく掲載された(余談だが ロバート・ラウシェンバーグは ヨゼフ・ボイスのフェルトスーツで登場した)







(裏話)
CAC滞在の前 私は妻と娘と一緒にマンハッタンに1か月滞在し CACへ展示するため持参したカウンタースーツやレインボースーツを着て 美術館・画廊巡りをした
当時 現代美術画廊はソーホーからチェルシーへ移転していたので 出国前にチェルシーにある格安ホテルを探し ニューヨーク在住の友人に頼み 見に行ってもらった
どんな感じ?と聞くと 別に普通よ いいんじゃない というので予約して行ったのだが そのホテルは低所得者や娼婦が泊まる木賃宿だった
マンハッタンでは これが普通かよ!と思ったが 私が予約した部屋は別館の最上階(3階)にあり そのホテルとしては最高級の部屋らしい
友人はここを見て普通と言ったのだろう しかし 入口は木賃宿と一緒でフロントのカウンターは大きなガラスで仕切られ ガラス下の小さな窓から鍵の受け渡しを行うようなスタイルだった
部屋に荷物を置くとすぐ受付に呼ばれたので行くと 中にいる黒人スタッフが 横のドアから中へ入れと言った
奥にもうひとり中南米出身者風の男が居て クレジットカードを出してください と言った
フロントの中へ入れられ 黒人と中南米風の男に そう詰め寄られた私は恐怖を感じた
なぜクレジットカードを出すのか?と聞くと 1か月分の宿泊費約40万円を先に払ってもらうと言う
そんなー 1か月滞在しないかもしれないと言うと その時は返すからと言うのでクレジットカードを渡した
恐ろしいホテルだと思い 近くのチェルシーホテルへ行ってみたが 高くてとても泊まることは出来ないので 仕方なくそのホテル(アラートンという名だった)へ泊まっていたが 慣れると黒人スタッフをはじめホテルに勤務している従業員は皆感じの良い人たちであることが分かった
そして 1か月後 チェックアウトする際に分かったのだが 前払いではなく後払いだった
チェックインの時は 万が一滞在者が居なくなった時に備え 宿泊代を請求出来るように番号を控えただけだった
しかし 今もって不思議なことは 私は英会話がほとんど出来なかったのに なぜか その時だけは話が通じていたのである