「ステファン・ケラー」コンサート

「ステファン・ケラー」コンサート
2001年以降/ヨーロッパ各地及び原美術館中庭

スイス在住の音楽家ステファン・ケラー氏は ピックアップを付けたフルートを一人で演奏する
吹くだけでなく フルート本体を叩いたり 擦ったりして その音にエフェクトを掛け 重ね合わせる
フルートは普通のフルート以外に バスフルート コントラバスフルートの3種類を使い分け まるでオーケストラのような重厚なサウンドを聴かせてくれる
その演奏と楽器は独創的であり 彼独自のアイデンティティを 私は強く感じた

ステファンと私は パリのアーティスト・イン・レジデンスで知り合った
彼と私の部屋は同じフロアにあったため すぐに顔見知りになり ある晩 夜のカフェでビールを飲みながら語り合い 私は彼のコンサート用の舞台装置と衣装を作ることを提案した

音響を視覚化して見せられないか?・・・音響を視覚的に変換し出力する仕掛けはふたつ・・・

イメージ 1ひとつは衣装
音量を視覚的に見せるレベルメータを衣装に取り付け 演奏に合わせてレベルが変化して見える仕掛けだ
彼の音楽はLRの音の大きさに変化があったため 演奏に連動して微妙にずれながら 時には左右同時にレベルメータがピークに達する

もうひとつは映像
彼の演奏はフルートに取り付けられたピックアップを通して電気的な信号に変換されるため それをコンピュータに送り映像に変換し ステージのバックスクリーンに投影する
演奏する彼の姿はシルエットとなり その背後には 視覚化された音の映像が刻々と変わっていく










私はローマ滞在の後スイスへ寄り ステファンが拠点とするチューリッヒ郊外のベリコンのコンサートホールで このふたつの装置・衣装を用いたコンサートを行った

私は彼にレベルメーター・スーツを譲ったので 現在も彼はヨーロッパ各地で独創的なコンサートを展開している
2002年10月には 原美術館の協力で日本で初めてのコンサートを開催した

ステファン・ケラーのプロモーションビデオ(部分) http://www.geocities.jp/idboutique/2002stefanvideo.htm